日本選手権で優勝しました!

6月10日(金)大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた第106回日本陸上競技選手権大会に出場しました。結果は、4m25で優勝しました。7年ぶり3回目の優勝、さらにニッパツに入社後初優勝でした。

 

今回使用したニッパツポールは、2021年から継続して使っていますが、反発の仕方を私の跳躍のクセに合わせてオリジナルでつくっていただいたものです。

振り返ると1回目は武庫川女子大3年の時、2回目は社会人1年目の時でした。この2つの大会は勝とうとして臨んではいなく、若さと勢いだけで気付いたら勝っていたという感じでした。一方、今回の日本選手権は、勝ちを狙いにいって獲った優勝だったので、レベルが違う初めての喜びでした。

 

有観客になり、遠方であるにも関わらず本社(横浜)から従業員の皆さまが応援に駆けつけてくれました。また地元大阪の両親、学生時代の友人含め、どんなときも近くで支えてくれたコーチ、チームメイトなどたくさんの関わってくれた方々が観客席にいて、「一人ではここまでできなかった。本当にたくさんの人に支えてもらいここまで競技を続けてこれたなぁ。」と試合前にすでに自分の陸上人生を振り返り一人で胸が熱くなっていました(笑)日本選手権という特別な試合の空気感と相まって本当に幸せな空間でした。

 

この大会に臨むにあたり、過去最高の仕上がりで準備ができており、実力がついているという実感はありました。一方で、私はキモチの波が激しく、調子が上がらないときは全く跳べないことがあり、また本番で気合を入れすぎると気負ってしまい急に自分の動きが把握できなくなるという課題を抱えていました。試合の2週間ほど前に末續コーチから「これまでキメにいってもキマらなかったのだからキメにいくのはムダ。竜田といえば笑いなのに、試合中のお前は全然オモシロくないぞ。」と言われました。それは、私のココロにグサッと刺さる言葉でした。キメにいってキマらなかったことに「何故もっと早く気付かなかったのだろう?」という気持ちと、私にとって「オモシロくない」は最高に傷つく言葉でした(笑)

私という人間をよく分かった上でかけてくれた愛のある言葉でした。ここから自分が試合への考え方を変えていこうと方向転換できたので、信頼関係は本当に力になると感じました。技術よりもどうすれば試合で楽しめる自分になれるのか?ということを考えて試合に臨みました。ありきたりかもしれませんが、「勝ったから楽しいのではなく、楽しかったから勝った」のだと思います。

 

自分に厳しく、ガマンやストイックに制限をすることが努力であり正しいことだと信じて競技に向き合ってきました。その考え方にムリが生じて限界を感じてから、2年の間に自分をあえて甘やかすことを学び、気持ちがラクになっていく感覚を体験しました。そこには強い思い込みがあったので時には「自分は頑張ってないのではないか?間違っているのではないか?」と自問自答することも多々ありました。過去の考え方と今の考え方を行き来する日々が続きました。特別に練習を追い込んだわけでもなく、同じ練習を継続してきました。努力したと自信をもって言えることは今の自分の考え方を受け入れようとし、目の前のことと向き合い続け、自分を攻略していったことです。そして今回の結果を得ることでいままでやってきたことは、胸を張っていいものだと自信がつきました。

 

2017年にニッパツに入社して以来、勝てない自分に対していつも優しい言葉をかけてくださり、内面的な成長にも見守ってくださった上司に感謝の気持ちでいっぱいです。自分と、競技と、向き合う環境を与えてくださったお陰で、何度も諦めかけた勝つ喜びをもう一度感じ、味わうことができました。心から感謝しています。ありがとうございました。

今回良かったからといって次が良いとは限らないのが私です(笑)。その度に自分と向き合って行きたいと思います。今シーズン中に日本記録の更新を目指します。

応援ありがとうございました!!