オーストラリア遠征②日常編

オーストラリア遠征②日常編

私が海外で合宿を行う際に大変だと感じることは、「ポールを持ち歩くこと」と「外国語での会話」です。

特に空港では、トレーニングで使用する自分のバッグとキャリーケースに加え、ポールと、それをクルマで運ぶためのキャリアも持っていく必要があり、大荷物になってしまいます。正直、とても邪魔で大変です。

1度目の遠征では浅田さんに同行していただき、大きな助けとなりましたが、2度目は1人で行ったため、到着後すべて自分で運ばなければなりませんでした。不安はありましたが、やるしかないため、あらゆる作戦を練って気合を入れてシドニー空港に向かいました。

すると、私の不安が顔に出ていたのか、空港の職員の方がなんと親切にも、レンタカーにポールを載せるところまで手伝ってくれました。本当に助かりました。しかし、私は簡単な英語しか話せないため、感謝の気持ちを伝えたくても「Thank you so much」しか言えません。とりあえず心を込めて何回も言っておきましたが、もどかしさを感じました。

そんな英会話力の私は、自分から自信を持って発せる英語が数えるほどしかありません。1回目の合宿では浅田さんにほとんどの会話を助けていただいていました。また日常生活では、浅田さんと話すことで自分の気持ちを言葉にすることもできていました。そのため、言語の面の大変さをそれほど強くは感じませんでした。

しかし、2回目は単独での渡航だったため、言語の違いによるストレスを強く感じました。練習中に自分の感覚を伝えたくても、うまく言葉にできない。聞き取ることも集中しても、すべては理解できない。さらに、日を追うごとに練習の疲労も蓄積していきます。私は1週間が過ぎた頃、英語がもはや呪文のように聞こえ始めました。ついに臨界点を超え、ホームシックになったようです。まさかそうなるなんて予想もしませんでした(笑)。

このような状況を、海外での競技経験がある、末續コーチと浅田さんに現状を話すと、共感してもらえて少し落ち着きました。私は、一日中絶対に英語を聞かないと決め、家族に電話をしたり、ドラマを見て過ごしました。休みの日には観光に連れて行っていただき、シドニーの大自然に触れました。徹底的に日本語で会話をしたことで、英語が呪文ではなく、英語に戻りました。

助けてくれる方がいたお陰で、最後までしっかり練習をすることができました。

外国語への苦手意識のせいで、せっかくの合宿中の良い練習をムダにするところでした。危なかったです。

普段は当たり前のようにしている「話す」という行為は、実はストレス発散になっていたのだと、その時初めて気づきました。

海外での経験は競技面以外でも、新たな自分の一面を見ることができました。

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